昴システムズ株式会社 || ブログ働き方改革:働き方改革は現状の把握から
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働き方改革:働き方改革は現状の把握から

ブログ更新日:2017-11-23

Blog1-9 政府の働き方改革が叫ばれて久しいですが、企業の中で大きな変換を行っている企業もあれば、何も変化がないという企業もあり様々なようです。 2017年春に働き方改革実行計画の政府案が出されました。 主だったものは以下になります
  • 非正規雇用の処遇改善(同一労働同一賃金)
  • 賃金引き上げと労働生産性向上
  • 長時間労働の是正
  • 働き方に合わせた環境整備
  • 女性・若者が活躍できる環境整備
  • 高齢者の就業促進
  • 政府案はこれまで「非正規雇用の処遇改善」や「賃金の引き上げ」、「長時間労働の是正」で踏み込んだ支援策などを行っており、その影響からか少しずつ変化がみられるようになり、良い方向に転じた企業も少なくないようです。 とは言え大部分の中小の現場では景気回復の兆しが無く、仕事は相変わらず多くある現状から、なかなか労働環境の改善に手を付けることができないのが実情です。特に非正規雇用の処遇や賃金を見直すことはそのまま人件費に直結するため、明確な効果が見えないとなかなか踏み込むことはできません。 また生産性向上は業務上の慣習や働く人の能力などを見極めた上での判断が必要で、長時間労働もその実態を把握することさえできないのが本音と言えるかもしれません。 未だに社員の勤怠状況の把握としてタイムカードの管理さえもできていないということは流石に無いでしょうが、社員個別の労働状況や有休消化の即時把握もできていないのが現状なのです。

    残業の実態

    よく耳にするのが「夜遅くまで仕事を行う人は多くいるが朝早く来て仕事をする人は少ない」という話です。本来ならば仕事の能率を高める上で、朝早くからの就業は業務効率を上げるはずですが、実際は疲れた脳で遅くまで残業をするケースが大部分で、その遠因としてスケジュールに基づく仕事管理の弊害があります。 スケジュールに基づいた仕事の管理は、一見生産性や能率を重視する方法に見えますが、その実態として、管理者の判断で無用な確認や遠回りな工程が入り、逆に労働者の負担を重くしてしまっていることや、個人能力に依存するあまり、能力の低い労働者の能力不足を原因にしてしまい、今の業務が本当に必要な工程を踏んでいるのかの検証がされていないケースがあります。 それでも労働者は今日の仕事は今日終わらせるという、ある種の勤勉さから行われてきた慣習が、同時に残業を前提に業務スケジュールを立てることで、自己の仕事のペースでは残業を含めざるを得なかったという現状があるようです。 例えば個人の事情を加味した働き方改革で生まれたフレックスタイム制という働き方がありました。この考えは、会社は集団で利益を出す場から、自分の能力を発揮する場に変わる一つの転換であり、同時に労働は自分の時間を提供する対価であるという考え方が広まりました。 そういう意味ではフレックス制度は、働き方を変え、しかも生産性を上げる一つの施策だったと言えますが、実際には会社としての方向性や、仕事の目的といった、本来働く上で大事にしなければいけない考えまで、生産性という言葉の中で失わせてしまったのかもしれません。生産性だけを求めれば生産性を上げるためのスケジュールに基づいて仕事を行えば良いという考えに陥り、それが仕事のあり方になってしまったのかもしれません。 とは言え、仕事のペースは人によって違うのは当然ですし、残業は全くしないというのはなかなか難しいと言えます。大切なのは不要な残業をどう減らしていくかです。 そもそも残業はなぜ発生するのか? 残業が無いペースで仕事を組み立てたことを前提とした場合、以下が考えられます。
  • 業務効率が悪い
  • 残業を前提にスケジュールが組み立てられている
  • 他の人が残っていて自分だけ帰れない
  • 残業代が欲しいため
  • 勿論繁忙期などの個別の案件は除外することが前提ですが、会社としてはこれらを踏まえ改善した上で、残業への対策を考えなければいけません。 例えば最近よく聞く「定時の強制終了」というものがあり、定時になるとパソコンや電気などが使えなくなるということを行う会社があるようですが、こういった対応は労働者の働く意識を変え、残業ができないので時間内に業務を終了させなければならないという意識を持つことに期待したものです。実際にこういった改革を行った会社から聞かれるのは、残業を減らしても生産性は下がらなかった、という意見で、いかに上記のような業務慣行があったのかが伺い知れます。 しかし、一方で社員の個人負担は高くなったという意見もあり、密度の高い業務を毎日課せられることで、居心地が悪いと感じる社員も少なくはないのも現実としてあるようです。

    ポイントは現状の把握

    職場環境の改善や賃金引上げ。長期残業の是正や非正規の雇用処遇の改善と、経営者は耳が痛くなる働き方改革ですが、上手にこの流れに乗ることができれば、更に会社が良い方向に向かっていくはずです。また、働き方改革を実践するための第一歩は自分の会社が抱える問題点を理解することです。 例えば休まずに働き続ける社員がいる会社は生産性が高く、能率は良いのかもしれません。しかし会社の内部に軋轢があり、働く時間が少ない能力の高い社員がおざなりにされて、その能力が発揮できない状況があるかもしれません。 夜遅くまで働く社員は仕事熱心で、会社に貢献していると考えるが、その生産性は果たして高いのか? 働き方改革でなされる会社の取り組みは、労働と生産性の話であることを忘れてはいけません。政府方針で働き方改革が問われる以前から言われていることですが、先進技術の導入でホワイトカラーの仕事はどんどん少なくなり、これからも減り続けることでしょう。 そんな状況の中で、昔からある仕事を、昔と変わらず同じ時間を費やして行っていること自体が不自然であり、積極的に変えていく必要がある部分なのです。 また、過去概念としてあったプロとアマチュアの差もどんどんなくなり、言い換えれば社員と非正規雇用社員の違いも小さくなった今、賃金を含めて今のままで本当に良いのかを正しく吟味していく必要があるわけです。 そのためにも会社の現状をよく知り、政府が提唱する働き方改革を実践するシミュレーションを行い、本当に変えなければいけないものはどれかを正しく見極めて実践することが重要なのです。

    まとめ

    働き方改革は、技術の進歩で今ある業務を変えていこうという一つの流れです。 人の働き方を通して今の業務を見直し、変えていくものは変えていくことが、未来の仕事につながっていくはずです。 そのためにはシステムの力を利用して、例えば勤怠の管理や現行業務のシステム化など改めて考えるときが来ているのかもしれません。 私たちもそういったお手伝いができるよう日々技術の研磨に邁進していきます。


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