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部分最適と全体最適

ブログ更新日:2018-02-22

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利益を求める

会社員を続けていると自ずと部下ができ、組織をまとめていく必要が出てきます。 初めてチームを持つ場合なんかはその責任感やプレッシャーで、よしやるぞという気持ちだけが先行してしまい、チームが見えず空回りしてしまうことがよくあったりします。 そんな時に上役から「個人の仕事は自分の利益を求めていれば良かった。しかしチームの仕事はチームの利益を求めていかなければならない」などといった助言をいただいたりします。 はじめはどういった意味かピンと来なかったりするのですが、その内にチームが成果を上げる方法に目を向けていくと何となく分かるようになってきます。

個人が頑張ることとチームが頑張ることの違い

こういった経験は会社員には誰しもあるのではないでしょうか。 個人の利益を求めるのとチームの利益を求めるのとでは働き方が異なるのです。 どう違うのかは多分人それぞれだとは思うのですが、例えば、個人の場合自分の営業成績を上げるために数を回り市場を潰してでも多くの訪問を見込めば数字をあげられるかもしれません。しかし、チーム全体で見ると、適所に適任の営業を回せなかった結果、市場を荒らし、本来取れたかもしれない見込み客を潰しているかもしれません。 そしてビジネスの現場では、往々にして優れた個人よりも優れたチームのほうがより大きな売り上げを上げるものなので、チームを率いる事が会社では重要視されるわけです。

部分最適と全体最適

このような考え方は「部分最適」と「全体最適」という言葉で多くの現場で使われています。 例えば商品部は自分たちの作る商品の品質を保つために費用をかけてよいものを完成させようとします。 購買部は在庫を切らさないような努力を怠りません。結果無駄なものや会社として割に合わないことを行っていても、その部署自体は最大限の役割を発揮しています。 つまりは「部分」が「最適化」されているのです。

全体最適の重要性

しかし企業経営の上では全体を見据えて考えなければなりません。 無駄な在庫を抱えるよりは、在庫を抱えなくても物が無くならないような仕組みや在庫が無くても待てる体制を作る必要がありますし、良い商品や売れる商品は大切ではありますが、製造価格と売価を考えた商品開発も当然必要でしょう。 会社を存続させるためには「全体」を「最適化」させる必要があるのです。

全体最適を意識するには

しかしこのような比較的わかりやすい理屈であるにもかかわらず、何故か多くの会社ではこの「部分最適」に走る社員に対して「全体最適」の必要性を訴え続けています。 理由は簡単で、上記例からもわかるように、社員は自らの属する組織やチームに対して貢献しようとします。 その結果組織が優位に立つための仕事を追求し、結果として本来の目的の会社の利益が忘れ去られることが往々にしてあるからです。 では「部分最適」を求める社員に対し「全体最適」を意識させるにはどうすればよいのでしょうか? 実はわれわれプログラムを書く者は、日ごろからこの全体最適を意識しているといっても言い過ぎではありません。例えばプログラムのコードを書く際に意識するのは、後の人が分かるように書きます。もちろん会社ごとの作法のようなものはあるのかもしれませんが、言語という壁を考えればおおむねチームに特化したものではありません。 また、同じようなコードの羅列が続く場合には、いかに一つのコードにまとめられるかを考えます。 オブジェクト指向という概念で説明される場合もありますが、こういった考え方をほぼすべてのプログラマは持っているといっても言い過ぎではありません。 これは「いかに能率的に、いかに効率的に」の考えに立っており「全ての人と共有できることで全体の利益になる」考え方でもあります。この考えの中に「チームに特化した」考え方はありません。ひょっとしたら会社という単位も超えて、すべての利益になるように考えているかもしれません。 それはそれで問題ですが。 話を少し戻すと、我々もシステム依頼で要件を聞きにお伺いした際にも、「その部分のシステムは別の部署が作っているので」といったようなご説明を耳にします。 要は部署ごとにシステムが分かれているため横連携が取れないということなのでしょうが、しかし、その結果無用な二重入力が発生したり、ひどいケースになると同じ事を複数部署で行っているというようなこともあるようです。 こういった経験から思うのは、全体最適を行うためには、まずその垣根を取ってしまうことが重要なことかもしれません。物理的に同じフロアーに全部署を置くといったことも必要ですし、社員をサイクルさせるのも良いかもしれません。しかし、一番重要なことは仕事そのものの垣根を取ってしまい、部署の理屈が無いすっきりした状態にすることが必要なことかもしれません。 今後ITの進化で人間が行う仕事が減る中で、このような部分最適の考え方も徐々に減ってくるのではないかと思います。歴史上IT技術は人の持つ技術や手法みたいなものを少しずつ汎用化させ、時には破壊してきました。 ITは間違いなく全体最適の考え方で物事を論理的に処理していくものだからです。 記憶や処理といった部分で人がITに勝つことができないように、「いかに優れた部分最適も全体最適には勝てない」のかもしれません。


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